勢い良く走ってきたせいで上がった息を整えていると、後ろから声がした。

「望っ。」

「…。」
真夏の暑さはとどまることを知らず、もうすぐ秋がやってくるというのに、相変わらずジリジリと熱を放っている。

額に浮かぶ汗。そして…頬にも流れる汗。
「…真名。」