私は西口にもう1本ある比較的治安のいいポプラ通りを目指す。




「やばっ!ちょっとキョロキョロし過ぎた!」




ロータリーの花時計で時間を確認し、走って百合子先生宅まで急いだ。




ポプラ通りに入ると、おそらく表通りか裏通りへ向かうであろうパトカーや救急車のサイレンの音が早速聞こえてきて、思わず顔を歪めた。




先生宅まであと少し、という所で何かを蹴ってしまった。




「ケイタイ? やだっケイタイ落としちゃったよぉ~」




黒い私のケイタイを慌てて拾い、バックの中に投げ入れた。




「ファスナー開いてるし・・・信じたくない」