「はじめまして、関根 美貴です。りんちゃんよね?私、山栄大学で医師をしているの。 ちょっと診察させてくれる?」

「はい」

おじ様をチラッと見ると穏やかな顔で頷いた。

私たちは隣の部屋へ移動した。大きなソファの近くに来ると

「座って? じゃあ、ちょっと見せてもらうけど、痛かったら言ってね」

そう言うと美貴さんは、腕を曲げたり伸ばしたり、背中を触ったりしながら怪我の具合を見てくれた。

「今のところ大きな怪我はなさそうね。でも、肘は消毒した方がいいわ。ちょっと滲みるわよ」

交通事故なんてビックリしすぎて、美貴さんに指摘されるまで肘を擦りむいている事に気づかなかった。

「つっ!!」

擦り傷なんていつぶりだろう?なんて考えているうちに美貴さんは包帯を巻き終わっていた。

「よし!終了!」

「ありがとうございました」

「いいわよ、気にしないで」

美貴さんが気さくな感じなせいか、少し話しただけですっかり仲良くなった。