「西藤秋南さんってここのクラス??」



「え、あ、はいっ!!」



ちらっと、その女の子は教室の隅で他の女子と話してる女の子をみた。



俺はハンカチを届けに1-c組の教室に足を運んでいた。



近くにいた女の子に声をかけて…






「西藤さーん、高瀬先輩が呼んでるよー!!」



「え…?」



西藤秋南という彼女は、ドア付近にいる俺をみて言葉を漏らす。



それと同時に教室にいた誰もが俺を一斉に見た。



え…俺何かした??



急に静かになる教室。



間が空いたと思ったらいきなり黄色い声が教室に響いた。






「「きゃーーーーーっ!!」」



「え、なんで??なんで高瀬先輩がいるの??」



「西藤さんを呼んでるみたい!」



「えーなんで、夏貴先輩が西藤さんを呼ぶのー?!」



黄色い悲鳴とクラスの女子から繰り広げられる会話に俺はまずいと悟る。






そうこうするうちに俺はみるみる女子に囲まれていった。



え、…ハンカチ…



女子の波に流され、結局、西藤秋南さんにハンカチを渡せず自分の教室に避難した。



「はぁ…」



思わずため息が漏れた。



ポン



俺の肩に手を置き、哀れみの目で俺をみるのは腐れ縁の涼平とその近くに幼馴染みの千鶴がいた。






「学校1の美女である美保ちゃんにフラれたんだってぇ〜??もったいない」



「アンタ、なんで今さっき1年の教室に行ったのよ??」



涼平と千鶴は俺を慰めに来たわけじゃないらしい。



とりあえず、涼平の会話はスルーして…



「なんで、千鶴がそんなこと知ってるの??」






「今、1年の廊下通ったら大騒ぎになってた」



大騒ぎ!?



まじか………



「…お前何したんだよ??」



なんて涼平の言葉を無視し、千鶴は俺に言う。



「美保ちゃんにフラれたのと関係があるの?」



えっ……



「いや…関係はなくもない…」



「どっちだよ!!つか、なんで俺の話無視すんだよっ!!」