「何も感じないんだね。じゃあ…いただきます」 カチャ、と金属の音。 トレイから彼がナイフを取った。 私は目を閉じた。 自分の体が切られる瞬間なんて、見たくない。 「綺麗な血だね……」 何て、ふざけた事を呟いていたが無視した。 ジュルッと、音がした。 恐る恐る目を開くと、彼が私の右腕に吸い付いていた。 右腕をパックリ切って、その切り口から血を吸ってるようだ。 吸血鬼みたいに。 私は再びギュッと目を閉じた。