「痛くしないから、安心してね……?」 チクッと。 左腕に痛みが走った。 あぁ、注射針が腕に刺さってる。 麻酔薬が体に入っていく。 抵抗しても無駄なのはわかってる。 どんなに叫んでも止めてくれない。 止めて、と。 必死の叫び声は彼に届かない。 しばらくして麻酔が効いてきたのか、体の感覚がどんどんなくなってきた。 「どう?感じる?」 彼が私の足に触れた、ようだ。 けど、何も感じない。