私は兄の体を抱き起こした。



確かに息はある。
死んでない。
ホッとした……。






「小春ちゃん、こいつはキミを苦しめた張本人だろ?忘れたの?」


「……」


「僕の可愛い小春ちゃんに傷をつけた。その代償は、たっぷり払ってもらわないと」




そう言うあなただって、私に傷をつけようとしたくせに。






「んっ……!!」




突如、鼻と口をハンカチで塞がれた。







「ごめんね?手荒な事しちゃって。少しだけ、辛抱してね」




薬を嗅がされて、
私はそのまま意識を失った。