「どうも、初めまして。僕は……小春ちゃんのよき理解者とでも言っておきましょうかね」



ニコニコと、
不気味なくらいの笑顔。



彼はようやく私から離れた。





「っ…お兄ちゃん……」


「おい、お前…どうしたんだよ。何か、あったのか?」




私は這うように、兄のそばに寄った。






「あ、あのね……彼はっ……彼はね…」




あの人なんだよ?
翔くんを襲ったのは。





「彼は…何?さっさと言えよ……」


「っ……」




彼は恐ろしい人だ、と。
言おうと思った。



けど、いざ言おうとしたら、言葉が出てこない。