「ねぇ、クッキーも食べる?マカロンもあるよ」
「あ、ううん。お構いなく……」
そんな会話をしてる時だった。
―ガッシャーン
「……!」
1階から、何かが割れる音がした。
「…あぁ、気にしないで。いつもの事」
「そう、なの……?」
四ノ宮くんの顔から、笑顔が消えた。
「下衆どもが喧嘩してるだけ。ただの醜い争いだよ」
この時の彼の表情は、笑ってるんだけど、目が笑ってなかった。
彼の目は真っ黒。
笑顔は冷たい氷のよう。
ゾクッとした。
「大丈夫。河瀬さんは気にしないで」
ポンッと、頭の上に置かれた手。
その手は、温かくて、優しかった。