「…嘘……」
容易に呟かれた愛の言葉を、信用できるわけがない。
これは冗談。
私は彼に踊らされてるだけ。
真に受けちゃダメ……。
「嘘じゃない。本気だよ。本気と冗談の区別もつかないの?」
彼の目は真剣。
その真剣な眼差しが、嘘じゃないと、強く物語ってるように見えた。
「僕は本気で…好きなんだよ?河瀬さん」
彼の人差し指が、唇に触れた。
スーッと、なぞられる唇。
ビクッと反応してしまう体。
「わ、私は……」
「好き……」
「…私は……」
「河瀬さんが、大好きなんだ……」
彼の言葉が、私を翻弄する。
ずっと、憧れの存在だった四ノ宮くん。
容姿端麗で優等生。
誰からも信頼される人気者。
私とは、まるで月とスッポン。
確かに彼は、私の憧れの存在。
でも……、