「お前、昔から野球好きだよな」


「んー。まーね。高校野球が特に!」


「俺が野球はじめた理由知ってる?」




そんなこと言われたこともなかったし、聞いたこともなかった


考えたこともなかった



「んー?知らない」



「お前が野球好きだから」


………



「…ん?え?」



一瞬わけわかんなくて、頭の中真っ白だった



「絶対、お前を甲子園に連れて行く。俺が野球部のエースになって、必ず甲子園に連れて行くから」



もちろん嬉しくて、でもわけわかんなくて、頭の中真っ白



「応援してろよな」




「あ、はい…」



ピーーーー


「あ、練習行くわ!もう帰る?」



「あぁ、うん。帰るね!練習頑張れ!また明日!」



「おー。またな!」



そう言って走って練習のグラウンドに行く後ろ姿を見て


私は帰った