野球をしていたそいつの練習を観に行った時



観に行っても自分の弟がしていたから



同級生になんで観に来たのか、疑問に思われる事はなかった



それに、野球が好きだったから




だから、真っ直ぐに野球に打ち込むあいつに恋をしたのかもしれない



「よしっ。15分休憩!」



監督の休憩の指示と同時に私の元に走ってきたあいつ



「お疲れ様」



「サンキュー。まぁまだまだあるんだけどな」



「最近、球走ってるね。キレもなかなか」



「お前にそう言われたら、自信になるわ」



「そう?ありがと」


野球をしているから



って理由じゃない。すごく好きだった


手は豆だらけで野球に一生懸命で、バカみたいに素直で、バカみたいに意地っ張りで、ウソをつくのが得意で


でも…


野球にだけはウソをつかない


そんなあいつが大好きだった