「早かったかな…」



そう呟いたのは4時15分。



正門はまだ賑やかだけど…



相手を待たせるより自分で待った方がいい。



そんな考え方の私は早目に約束の場所へ向かっていた。



でも…



「深雨ちゃん」



正門を背もたれにして、本を読んでいた。



それは私も知っている人で。



秋風に揺れる木々、



散ってゆく黄や橙色の木の葉、



いつもはしていない真面目っぽい眼鏡。