翌日……
「戸崎。何浮かない顔してるんだ?」
ぼーっとしていた俺に、北野さんが話しかけた。
「ちょっと……
気になっていることがありまして……」
俺はそう言って、いちごミルクを少し飲む。
いちごミルクは甘い恋の味。
俺、ずっと甘い恋をしていた。
だけど、亜美ちゃんに言われて気付いた。
俺、唯ちゃんを大切にしていなかったんかな。
気付いたら三十代も迫ってきている。
俺、自由にしすぎて、唯ちゃんのこと何も考えていなかった。
「北野さん……
どんなプロポーズをされたいですか?」
思っていることをそのまま吐いたら、
ブッ!!
北野さんがコーヒーを吹き出した。
それが俺のパソコンにかかって、
「ちょっと、汚いですよぉ!」
ブツブツ言いながら拭く。
すると案の定中山もやってきて、
「戸崎さん!
なんですか北野さんにその暴言!」
中山のほうが暴言を吐くくせに、そんなことを言ってくる。
こんな平凡な毎日。
だけど楽しい毎日。
俺は自分の楽しさばかり優先して、唯ちゃんを後回しにしていた。
でも、俺には唯ちゃんが必要だ。
唯ちゃんと一生一緒にいたい。