「俺……唯ちゃんのこと、大切に出来てない？」
蒼は少し驚いたように亜美に聞く。
亜美は笑顔のまま蒼に言った。
「いつもフラフラ遊んでいて、唯は一人で家にいるんじゃないの？」
亜美……また、なんてことを？
「蒼君、本当に唯のこと好きなんかなぁ？
好きなら、そろそろ覚悟してもいいんじゃない？」
蒼は亜美をじっと見た。
そして、
「唯ちゃん取られるの嫌だ」
とだけ答える。
ほらね、蒼はその気なんてないんだよ。
今の関係が楽でいいんだ。
だけどね、嬉しかったよ、亜美。
亜美はFのファンなのに、蒼にこうやって厳しいことを言ってくれる。
あたしを戒めてくれる。
あたしね……本当は蒼と結婚したいんだよ。
