どうして……
どうしてそんなに蒼みたいなことを言うの?
だって……
「あたし、何もしていないです!
蒼は頑張ってるのに、あたしは蒼の力になれなくて。
今回の騒動だって、蒼を信じ抜くこともできなかった」
紅さんに向かって叫んでいた。
紅さんは、そんなあたしを蒼みたいな瞳で見る。
優しくて、温かい瞳。
「唯ちゃんが隣にいるだけで、蒼は頑張れるのよ」
……そっか。
そうだよね。
蒼もいつもそう言うから。
何も出来ないあたしだけど、蒼の味方でいることはできる。
例え全てのファンが蒼から離れても、蒼を嫌いになっても、あたしは蒼の隣を離れない。
……離れられない。