「世間は優弥ちゃんが落ち着かせたわ。

でも、あんな写真が出回ってしまって、完全に元通りとはいかない」



「え……」



「優弥ちゃんのことを嘘つき呼ばわりする人もいるし、実際、ライブにも来ない人もいるんじゃないかな」



「そうですか……」





あの、頭のキレる優弥さんでも完璧には戻せなかった。

あたしの思った以上に不倫というスキャンダルはマイナスだったのだ。

きっと、蒼は落ち込むだろう。

不倫男というレッテルを貼られて……






「唯ちゃんが支えてあげてね」




思いがけない紅さんの言葉に、あたしは顔を上げ紅さんを見た。

紅さんは少し悲しげな顔をしてあたしを見つめていた。




「あいつ、メンタル弱いから。

唯ちゃんがいなきゃ、Fの碧はいないから」




え……




「唯ちゃんのおかげだよ」