すらっと背が高く、鼻筋が整っている。
そして、蒼に似たアーモンド型の瞳。
紅さんは、
「ごめんね、あの馬鹿が迷惑かけて」
何度もあたしに謝った。
紅さんは何も悪くないのに。
頭を下げる紅さんに、
「あたしもしっかりしていなくて……」
あたしも頭を下げていた。
紅さんはミニスカートから覗く足を組んで座った。
まるでモデルのような美しさ。
鏡に写った平凡なあたしを見ると恥ずかしくなり、慌てて目を逸らす。
「でも、良かったです。
不倫が本当ではなくて」
「そうね。
……ま、あいつは不倫出来るほど器用でもないけど」
紅さんはそう言って、蒼そっくりの人のいい笑顔を浮かべた。