こんな母さん見たことない。


昨日に比べてひどくやつれているし、髪だってボサボサだ。


母さんは虚ろな目で、俺を見ると急にボロボロと泣き始めた。


俺は呆然と、自分の親の泣いている姿を眺めているだけ。


「かあさ_____


「どうしてそんな目なの……………」


「…え……?」


「どうして、どうして、そんな目の色なの…ッ!?」


母さんは急に声を上げると、俺に向かって叫ぶ。


何を言われているのか理解の出来ない俺は聞いているだけ。


「………あんたの目のせいで……私とお父さんの子じゃない、まで言われて…………」


俺がさっき聞いた言葉。


どうして母さんが、それを俺に言うの…?


「なんで………ッ……、なんでそんな目の色をしているの……っ」


嗚咽に混じって、母さんの吐き出す言葉が俺に刺さる。




お腹の中に、何か重い物が乗って来たような感覚。

ズシン、とその重みは、俺が身体を支えきれないほど、のしかかってくる。
息が苦しい。体が痛い。






家にいれば、安心できると思っていたのは





俺だけらしい。