ポソリと呟いた私は、そのまま日向くんの肩に顔を埋めた。




耳まで熱い。




バクバク鳴っている心臓の音が聞こえてしまう。



日向くんも、私と同じような気持ちなのかな。





「こな、つ……っ?」



いつもとは違う、日向くんの上ずった声に私の心臓は飛び上がる。



冷静ではない日向くんを見るのはこれで二回目。



一回目は、私が日向くんの瞳の色を見て、綺麗だと言った時。




今すぐ真っ赤になっている君を見たい。



私と同じなんだって、確認したい。





固まっている日向くんの肩から顔をゆっくりと上げた。



「!!」



ぐ、と
背中を押さえつけられて、またさっきの状態に戻ってしまった。



「ちょ、日向く」



ぎゅうぎゅう腕の中でもがいてみたけど、日向くんの腕の力には敵わなくて、私の体制が変わる事はない。





「まだ離れんな」




ズルい、
私は顔見たいのに…!!



「今、顔ヤバイからもうちょっと待って」



「へ……?」




どういうこと………?




「めちゃくちゃニヤけてる」



「ほ、ほんと…?」



なら尚更、
日向くんの顔が見たい。


そう思った私は、今度は止められないようにすばやく日向くんの腕の中から、身体を抜いた。



「っあ、オイッ__



すぐあった日向くんの顔は、何時もより真っ赤で、
腕の中から抜けた私と目が合うと、更に顔を赤く染めた。


そして、堪えきれなくなったように私から目を逸らすと、横を向いて顔をしかめた。



「最悪。カッコわりぃ」



そう言って赤い顔を大きな手で覆う。



「(どどどどどどうしよう…!!)」




想像以上に可愛い!


こんな日向くん、他の人は見られないんだろうなぁ…


そう思うと、どうしても顔が緩んでしまいそうになる。