真っ赤な私に日向くんは吹き出す。


「 嘘。 そんな怒んなよ」


別に怒ってなんかは…


ていうか、


「う、嘘って……?」



どういう意味?



「小夏が言ったら言ってやるよ」



「なっ!なんで名前……」



この人は私をどうするつもりなのか。



「お前の反応が面白いから」



お前の反応って…。



「そうやって顔真っ赤にしたりとか」


「っ!!」


完全に面白がってるこの人!


だけど私の身体は言うことを聞かない。


きっと林檎みたいに赤い。



「ホラ、言って?」



流し目で言ってくる日向くんだけど、それが似合い過ぎていて逆に辛い。


私と日向くんの距離は、さっきよりは遠いけれど、それでも少し手を伸ばせば簡単に届く。



「俺の事、今は好きじゃないの?」