「瑞穂っ...!」

大樹は瑞穂を追いかけようとした。
でも私は行かないで欲しかった。
この感情に気づいてしまった。

人を信じれなかった私が。
人に感情を入れないと誓った私が。

人を好きになってしまった。


「行かないでっ...!」

私は大樹の腕を掴む

「峯口...?」

「お願いだから...行かないでよ...」

いつの間にか私は泣いていた。

私、馬鹿じゃないから知ってるよちゃんと。
大樹、瑞穂のこと好きなんでしょ?
でもその感情の大きさと同じくらい。
私だって大樹のこと好きなの...



「大樹...私...大樹のことすきなの...。
初めてだったの...
本当の私を見てくれたの...
大樹が...初めてだったの...」

ぼろぼろになりながら私は話した。
言葉だって聞き取れなかったかもしれない。

でも大樹は最後まで聞いてくれた。