12月に入り、街並みは、クリスマスの
イルミネーションや音楽で溢れていた。


大上さんの関わりが全くなくなり、以前の
ように、平和な落ち着いた日常が続いている。


…が、何かが、物足りない。


隣にいて当然だった、大上さんが、今は
いない。


『何か、寂しいなあ。
会いたいな。
触れて欲しいよ。』


いろんな感情が入り交じり、大上さんのことを考えただけで、心臓がバクバクする。


『これって、もしかして、世に言う『好き』って感情!?』


自分に問いかけてみる。


今更ながら、自分の気持ちに気付いた。


『でも、大上さんは、受験生だ。』


『無理なことは、言えない。』


飾り気のないスマホの、待受画面をただ、
眺めていた。