目の前の男子くんも、私と一緒に探してくれた。


パリッ!


私の足元で、物が激しく壊れる音がする。


夢であってほしい……。


壊れかけのロボットのように、ゆっくり音がした方へ視線を向けた。


コンタクトレンズが、ものの見事に砕け散っていた。


「……。」


私はその場に立ち尽くし放心状態になった。



「あーあ!やっちゃったね。
 これはもう、諦めるしかないよな。」


確かに男子くんの言うとおりだけど……。




「そ……そう……そうなんですよね。
諦めるしか……ないですよ……。」


涙目で男子くんに同意し、彼の方を見た。


……いない!


……ど……どうしよう。

一緒に探してもらってないのに、お礼も言ってないよ。


コンタクトレンズのことで頭がいっぱいになっていて、それに涙目で視界がぼやけていたので、顔をはっきりよく見ていなかった。

学年も何組も、肝心な名前を一切聞いていなかった。


結局なんのリアクションもおこせず、一週間が過ぎていった……。


コンタクトレンズを自分で壊した日に、眼科へ受診し購入した。