「……ぷっ。君、なにしているの?」


頭上から笑い声が聞こえていた。

地面に四つん這いのまま、顔だけを天に向けた。

長身の男子くんが私を見下ろしていた。

私の瞳は潤み視界がぼやけていたので、はっきりと顔は認識できない。

しゃがみこみ、私に視線を合わしているのはなんとなく理解できた。

しかし、表情ははっきり見えなかった。


「コ……コンタクトを落として……探しているんです。
でも……なくて……見つからないんです。」


自分でもなにを言っているのかよく分からない。

目の前の男子くんも、私のわけの分からない訴えを聞いてもどうしようもできないに決まっている。


「一緒に探してあげるよ。」


なぞの男子もスラックスが汚れるのも気にすることなく、私と一緒に四つん這いになりながら一緒に探してくれた。


……神さま、仏さま……。


目の前の親切な男子くんに感謝したい。