……得体の知れない感覚が、私は怖かった。

その後すぐに解放してくれた。

すぐに教室へと戻り、成美の席に近寄った。


「……見つかった。」


「もう、諦めたら……」


笑顔の成美には似つかない、あっさりした答えがかえってくる。


「成海、冷たいよね」

「そんなこと言って、意外と亜梨朱も楽しんでいるんじゃないの?」

「楽しんでないよ」

「……ふぅん……あっ、そうそう、大上さんに亜梨朱の居場所聞かれて屋上にいるから、って答えておいたよ」

「……は・い!?先回りしていたから思ったのよ」


成美だったのか……それなら理解できる。

だって行ったことのない屋上にいること自体おかしいと思っていた。


「もう降参したらいいじゃない。」


「成美は他人事だと思っているでしょ」

「全然思ってないよ。亜梨朱のためを思ってしたことだよ」

「今度は言わないでね。絶対!」

「はいはい。」


曖昧な返事しかしなかった成美。

校内に逃げ場所など完全にないと悟る亜梨朱であった……。