「ここなら、絶対見つからないよね」


屋上への入り口の金属製の重い扉を開く。

年季の入った扉は擦れたような金属音がした。


「……ひぃ!!!」


なぜだ!屋上のフェンスに体をもたれさせた大上さんが、私を見ていた。

おかしい!?だってここには大上さんと来たことはない。


唇の片方の口角を上げ、ニヤリと笑みを浮かべていた。


「小リスちゃん、俺から逃げようとしたでしょ?
残念。先回りしたんだよね。
捕まえたぁ!」

大上さんは駆け足で私の方に近寄り、いつものように、抱きついた。


どうやら校内には、私の逃げ場所は無いようである……。