大上さんと一緒にいると毎日周囲から注目され、それに彼に抱きつかれていては、私の心臓は激しく鳴りっぱなしで、身ももたない。

私はある決断をした。


大上さんが教室まで私を迎えに来る前に、逃げよう……。


大上さんとの状況を全て把握している同じクラスで友人の成海(なるみ)に告げた。


「大上さんに捕まる前に、逃げることにしたから。
ちょっと屋上に隠れてくるね。」


私はバイバイとなぜか明るく手を振る成美に言い残し、教室をあとにした。

午前中から授業中ずっと考え、決めていた屋上に逃げこむことにした。