私の背に体温を感じる。

そこで初めて大上さんが抱きついてきたことを理解する。

すると急に心臓がバクバクと暴れ、全身に熱をもつ。

男子と体を密着させたことは初めての経験。

緊張しないわけはない。


「捕まえた!小リスちゃん。」


私の耳元で大上さんがつぶやいた。

大上さんのトーンの低い声が響き、私はおもわず身ぶるいをする。


「りんごみたいに真っ赤だね。子リスちゃん。
可愛いね。」


私のほほを指でツンツンした。

大上さんに気づかれたことが恥ずかしくて、私はうつむいた。

否定する言葉が出てこない。

全身から汗が吹き出していた。


「ありがとう、子リスちゃん。
充電出来たから、また放課後ね。」


私のほほにリップ音をたてながらキスをして立ち去った……。