指定された廊下奥の教室の扉を開けた。

空き教室になっていて、椅子と机が等間隔に綺麗に並んでいた。

奥の窓側の机に足を組み、外を眺めている大上さんの姿があった。

しかし教室を見渡しても静寂に包まれ、委員会のメンバーは誰一人いない。

大上さんが首だけを動かし、私の姿をとらえた。


「……今日……委員会あるん……ですよね!?」


確かに、メールには至急と書いてあったはず。

私は急いで来たのに誰もいない。……おかしい。


「小リスちゃん、早かったね。」


「だって至急って書いてあったから……。」


「ごめんね。ウソなんだ。」


「……ウ・ソ!?」


「そうなんだ。子リスちゃんに会いたかったからついたウソ。」


「……騙したんですか!」


私はウソをつかれたことに対し、腹がたつ。

それになぜウソまでついて私を呼び出す必要があるのか?


「私をからかうために呼び出したとか!?
用事がないなら、もう戻ります。」


私は大上さんに背を向けた。

すると、背後から私の首へと長い腕が回ってくる。

それが何を意味するのか理解できず、私は体を硬直させた。