次の日の朝。

普段どおりに学校へ登校する。

下駄箱で靴を履き替えようとすると、目の前に知らない女子生徒数名が私を取りかこみ、仁王立ちで立っていた。

彼女たちは私をにらみつけた。

異様な雰囲気のなか、私は身震いをした。

ひとりが口を開いた。


「あんた、昨日大上さんと仲良くしていたでしょう!



鋭い視線に恐怖した。


「仲良くって……委員会の話をしていただけで……。」


気持ちが萎縮してしまい、自分で何を話しているかよく分からない。

「なにとぼけたこと言ってるの!
昨日、あんたと大上さんが一緒に手をつないで帰るところを見た人もいるのよ!」


女子生徒のひとりが、私の肩を勢いよく押した。

反動で私は背後へ倒れそうになる。


「あっ……。」


私の背を誰かが支えた。


「あっ、ありがとうございます。」


うしろを向くと、大上さんだった。


「大丈夫だった?」


大上さんは私の顔を覗きこみ、心配そうに声をかけていた。


目の前の女子生徒たちは、無表情のまま硬直していた。