頑張って走って逃げたが、…、でも結局、
足の長い彼の歩幅には、勝てる訳はなく、

「小リスちゃん、捕まえた!」

と言いながら、私の後ろ側から、
両肩を掴むように捕まってしまった。


『ニヤリ』


と、片方の唇の端を上げて笑った。


何か企んでいるような、笑いに怖くなって、
思わず、身震いをしてしまった。