イケメンくんは口を開いた。


「コンタクトレンズ、もう買ったの?」


「えっ……。」


イケメンはいったい何を言っているのかな!?



「……あれ?もしかして、覚えてない……とか!?」


今までこんなイケメンくんにお会いしたことはない。

一度会えば絶対印象に残っているはずだ。


……でも、この声……どこかで聞いたような……。



「あっ……思い出しました!
あの時、一緒に探してくれた……。」


「忘れていたんだ。
俺、印象薄かったんだ……。」


イケメンくんが、落としたコンタクトレンズを探してくれたんだ。

でも結局は、私が踏んで割っちゃたんだけど。


「……ちっ、違います……すいません。
あの時は、よく見えていなくて。
一緒に探してもらって本当にありがとうございました。
ずっと誰が探してくれたのか分からなくて。
お礼が、遅くなってすいませんでした。
あのあと、コンタクトレンズは買いにいきましたので、もうちゃんと見えてますよ。」



「子リスちゃんだね。」


「こ・り・す!?」


なにが子リス……!?


「ちっちゃくて、名前が子リスみたいだから、子リスちゃん、俺マジで気に入ったから、付き合ってよ。」


「……は……い!?」


「だから、付き合って、って言ってるの。」


「えーーーーーーーーえっ!!!!」


「……声、大きいよ。」


左右に首を大きく振り、周囲を確認した。

廊下を行き来する人たちが、なにごとかとおうような表情をし、こちらを見ていた。


「す……すいません。」


私は恥ずかしくて、うつむいた。


「ぷっ!」


イケメンくんに完全に笑われた。


恥ずかしくてしかたがない。


今の私の頬はりんごみたいに真っ赤だと思う。