「おはよ、琴音」

「はよー、美咲」

琴音、そう言われるたびにドキドキする

でさー、って話はじめる美咲

うん。と相槌をうつ

「へぇ おばあちゃんがみかんくれたんだ、いいな〜」



ホントはこんなことより、言いたいんだ



好きですって

愛してますって

「好きやろ?」
「えっ!?」

「え!?って何よ 琴音、みかん好きじゃなかったっけ あげようと思ったんだけど」

「す、好きだよ?すごく好き 愛してる」

愛してるってwと笑う美咲

みかん好きだよ でもね



美咲のことも好きなんだよ




言いたい


好きだって

でも言ったらダメなんだ



言ったら

線を超えてしまったら



嫌われる

軽蔑される

永遠に届かない

同性という壁が 私を押しつぶす



なんで 美咲を好きになっちゃったんだろう


どう足掻いても 美咲が頭を離れない