それから数日後…

あの助けてくれた猟師仲間が、猟師を見舞いに家を訪れていた。

「…あの時は、本当にありがとう。君が見つけてくれなきゃ、死んでいるところだったよ…」

「いや、運が良かったよ…ケガの具合はどう?」

「うん、だいぶ良くなってきたよ…」

「それにしても、どうして穴なんかに落ちたんだい?」

「えっと、前方不注意かな…」

猟師は兎の事を話しても信じてもらえないと思い、そう答えた。

…猟師が助けられ時、穴の中に兎の姿はなかった。

きっと兎は地上に出て、お使いを果たしに行ったのだろう…

そう猟師は考え…あんなにヒドイ事を言ったんだから、しょうがない…

と、兎の事を忘れる事にした。




それから、また数日後…

猟師があの兎の事を忘れた頃に、猟師の姿を窓からのぞく影があった。

それはあの兎で、神様のお使いをすませた後、またこの森に戻って来ていたのだった。

「…元気そうで良かった…」

兎は心からホッとすると、胸をなで下ろした。