次の日…

猟師は、とうとう空腹のあまり、抑えがきかなくなっていた。

心配した兎が、猟師に近寄ろうとした時…

猟師は思わず、手で兎を追い払うと叫んでいた。

「そばに来るなよ!二度と姿を見せないでくれ!!」

「ご、ごめんなさい!!」

兎は今まで聞いた事がない、猟師の怒鳴る声に驚いて、その場から立ち去ると掘りかけの横穴に逃げ込んだ。

そして泣きながら、無我夢中で穴を掘りつづけた。

「ごめんなさい、ごめんなさい…」

と、謝りつづけながら…

すると次の瞬間、兎は勢い良く地上に飛び出していた。

そして兎は一瞬だけ穴の方を見ると、森の中へと消えて行ったのだった…



「…おい、大丈夫か?!」

犬の吠える声と、男の声が頭上から聞こえてきた。

猟師がもうろうとしながら見上げると、仲間の猟師が穴をのぞき込んでいた。

「…ごめん…ケガしてるんだ…」

「分かった!今助けるから、ちょっと待ってな!」

そう言うと、仲間の猟師はロープを取りに走って行った。

…猟師は幸運にも仲間の猟師に助けられ、命拾いする事が出来のだった。