「…すみません、すみません!私が驚いたばかりに…」

穴の底で、うずくまってしまった猟師に向かって、兎は謝りつづけた。

「…いたた…君は大丈夫?」

「はい、猟師さんは?」

「…足をケガしたみたい…」

「すみません、すみません、すみません…」

「いや、自分の不注意だから…ちょっとこの穴を登れそうにないけど、君はお使いがあるから行きなよ…」

猟師は見上げると、穴の深さを確かめた。

「残念ですが、私もムリみたいです…」

「そっか…じゃあ、人が通るまで、しばらく待とうか…」

そう言うと、猟師は足の痛みを我慢しながら、兎に笑いかけた。



それから…数日が過ぎ…

人どころか、犬一匹すら通らず、猟師は空腹で意識がもうろうとしはじめていた。

「りょ…猟師さん、大丈夫ですか?」

兎は猟師を心配して、そばに寄りそった。