柊はひるまず、私に言い返して来た。


「そんなこと言ったって、遥香は過去にとらわれているだけでしょ!」




「…なんだと?」



私は眉間にしわをよせ、柊をにらんだ。



「遥香は今、現実世界にいない。
まだ過去の世界にいるんだよ。
現実を信じたくないだけじゃないか。」


私は怒りを抑えきれず立ち上がった。




「それはっ!!」




柊は私の言葉を遮るように言った。




「否定たいなら、学校いこ!
学校言って証明して見せてよ!
『私は過去にとらわれてない』って…」




私はうつむき、しばらく考えて決心したように顔を上げた。



「…わかった。」




柊の顔がぱぁっと明るくなる。



「ほんと!?」




「ただし、柊も常に一緒に行動するように」



私は小さい子どもに言うように、人差し指を立てて言った。