「…ああ、約束だぞ」


私は初めて柊に微笑んだ。



「…」



柊は目を見開き私の顔をじっと見た。




「な、なんだ?私の顔に何かついているのか?」



「…違うよ。遥香が初めて僕に笑いかけてくれたから…僕嬉しくて…」



私は柊が私の名前を呼んだことに衝撃を隠せなかった。




「な、なぜ私の名前を知っているんだ…?私は教えてないのに」



「言ったでしょ?ある人に聞いたって…」



「っ…!」



「おおっと!僕の事をきくのはだめだよ?話す時がきたらだからね…?」



柊はウインクをした。



「うっ…まぁいい…どちらにも事情があるんだ、気長にまとう」



「そうこなくっちゃっ」



私はこのとき菜乃花がいなくなった時から初めて人を信じてみてもいいかなっと思った。ちょっとだけ…