私は柊を睨みつけながら答えた。



「え〜どうして?」


柊は私のほうに近寄りながら言った。



「どうしても何もない!ただ行きたくないだけだ!
私はほんの興味本意で行ってみただけなのに、なぜお前がいたんだ…
あそこは私達の大切な思い出の場所!
だけど…私には行く資格がないんだ…
あそこに行くと私の心が痛むんだ、お願いだから来ないでくれ…」



私は叫びながら泣いていた。



「あ、あれ?どうして?菜乃花がいなくなった時には涙が出なかったのに…」



すると柊は私をふわりと抱き寄せた。


「や、やめろ…」



そういいながら柊を弱い力で突き放した。



「いいから…」




そのときの私は柊の胸の中でただ泣くことしかできなかった。