「え…翔ちゃんが?」



私はご飯を口に運ぶ手を止め、暫し母の顔を凝視した。



つい数秒前に母が発した言葉に、私の体が反応した結果だ。




―――翔輝くん、西高の普通科受けるんだって。
もちろん受かるかはまだ分かんないけど、受かったら栞と同じ高校になるわね。―――





この発言自体は、普通のことに思える。


しかし、私にとってはとても大きな意味を持つ言葉だった。