エンデュは、噴水広場のベンチに座るなり、噴水で水浴びをしているフェニックスを見ては、ため息をつく。
「はぁ......。人懐っこい事は、時には危機にさらされる事もあると、君は、親から教わらなかったのか? ......もしかしたら、人間のせいで君が、そうして水浴びをすることすら出来なくなってしまうかもしれないんだぞ? ......まったく、呑気なものだな」
すると、フェニックスは愛らしいクリクリの目でこちらをじっと見詰めてくる。
「......なんだ?」
エンデュは、フェニックスにそう問いたが、勿論、フェニックスはイヴのように言葉を話すことなど出来ない。
「キュルキュルキュルキュル......」
そう、ただ鳴くだけ。
「はぁ......」
思わず、ただの不死鳥相手にエンデュは、またもや、ため息をついた。
すると、フェニックスは突然、何かを見つけると飛び立って行った。
エンデュは飛び立って行った方向に目を向ける。
それは、アルだった。
結局は飼い主のことが一番好きなのだろう。
「フェニックス、人間界の風はどんなだった? ......次に行く時は、もっと用心しろ。いいな?」
アルは、こんな事は日常茶飯事であるかのような素振りで近くに飛ぶ、フェニックスにそう言った。
「......ふう」
ひと息つきながら、エンデュはベンチに横たわり昼寝をし始めた。