「あ、鈴木」

買い物をして帰ってくると、陽が目ざとく一緒に連れてきた鈴木くんを発見した。

足元に纏わりつく陽に買ってきたアイスを渡すと、喜んで皆の所に持っていった。

「あの子は?」

アイスに群がる子供達の中に見慣れない子がひとり増えていることに気が付いて、鈴木くんは小声で尋ねた。

「陽と恵の友達の静弥くん」

「友達か……てっきりもう一人、弟がいたのかと……」

私は無言で鈴木くんの脇腹をひねった。

「バカなこと言わないの」

(これ以上、弟妹が増えてたまるものですか)

容赦ない攻撃で苦痛に呻いた鈴木くんを、アイスを咥えた陽が手招きする。