「あら、静弥くん」
「こんにちは」
陽と恵の小さなお友達は礼儀正しくお辞儀をした。
静弥くんはくりくりとした大きな瞳が特徴的な利発な男の子である。陽と恵とは幼稚園の頃からの友達で、そのまま近所の小学校に一緒に進学したのだ。今日は夏休みだということもあって泊りがけで遊びにやってきたのだった。
「陽、恵!静弥くんが来たわよ」
リビングに静弥くんを案内するとは既に陽と恵、ひろむがゲーム機を持ってスタンバイしていた。
「遅いぞ、静弥」
「遅いぞ、静弥」
双子が全く同じタイミングで言うと、早速ゲーム大会が始まる。
最近のお気に入りは“ポイントモンスター”という携帯端末のゲームらしい。
捕まえたモンスターにポイントをあてがって、育成して対戦させるゲームなのだが、小学校で流行っているという。