先輩がホテルへ歩き出すのを遠く見えなくなるまで眺めた。 君がふれた髪にそっとふれてみる。 今日先輩とたくさんはなしてコーヒーをもらっけ、頭をぽんぽんされて偽りだけど名前を呼ばれて。 嬉しくて嬉しくて、それで…… 予感がしたんだ。 ……きっともう遠くから見ていた私には戻れないって。 ねぇ、夏の間だけでいいから、先輩のそばにいさせてください。