「ふぅ…」 店のドアを開ける前に、ひとつ大きく深呼吸をした。 ……よし。 カラン 少し離れたところに立っている先輩。 さっきから通り過ぎる女の人たちが先輩をチラチラみている。 そりゃあみちゃうよ。 だってすっごくかっこいいもん。 でも今日、 あの背中が待っている人は …私。 そう考えただけで、顔がバカみたいに緩んだ。