「…へ?」


頭上から一つの言葉。


見上げるとそこには申し訳なさそうな顔をした松原先輩がいた。

この角度の先輩、半年前と一緒だな…なんて冷静に考える。





なにも話さない私に彼が続ける。


「お姉さんのこと、バカにしたみたいになったから気になって…。あいつらも悪気があったわけじゃねぇんすよ。ただ」


先輩はそこで言葉を止めた。


「ただ…?」


「お姉さん、可愛かったから。ちょっかい出したくなったっつーか」

そういった先輩の頬が夕日のせいか少しだけ赤く染まってみえた。



「……っ」


そして多分私の顔が先輩以上に赤いのは夕日のせいなんかじゃない。