しん。と僕等の空気が静まり返った。話が大きすぎてついていけないのだ。僕はエミを見た。エミは苦々しげな顔で僕等を見ている。「エミ。そんなに大きな事が起こっているのか?」 躊躇いがちに、公平が言った。
「正直まだ何が何なのか呑み込めない」
「でも…十分色々起こってるじゃない。電気が消えて《運命》が流れて…」そこでエミは青ざめながら首を振った。
「兎に角おかしいわ。私逃げるから!」
「待ってエミ!あたしも行く!」
エミの後を、絵美が追いかけていく…ややこしい光景だ。
俊夫は若干迷ったようだったが残ることに決めたようだ。公平は、エミと絵美も心配だが、あまりバラバラになっては危険と判断したのだろう。黙って僕を見てきた。
ここで全員がバラバラになるのは、なんとしても避けたい。2手に別れてしまうのも得策とは言いがたいが今のエミについて行くのも…。
と、考えたところで僕は響子の存在に気付いた。 「響子。エミ達と行かないのか?」
すると彼女は肩を竦めぼそぼそ言った。
「今のエミについて行くのは危険。彼女、おかしいし…。それに」
俊夫ではないけれど響子は十分僕の不安をかき立てた。

「逃げられないと思う」

エミ、絵美戦線離脱。 残り──4名。