固まってしまった空気を解したのは珍しく名案を打ち出した俊夫だった。 「いいと思う。それなら早く行こう」
深く頷いて、公平が同意した。僕も異論は無い。皆も同じだ。そそくさと鞄を持ち、話し合った訳でもないのに、綺麗に一列に並んだ。先頭は俊夫だ。
時刻は6時37分。完全下校から、つまり学校が閉鎖されてから7分経った。 そして僕等は、沈黙の部屋を…今思えばとても居心地の良かった空間を後にした。