あたしの親友は女ではなく男だ。

名前は「城田准」。

幼稚園から高校まで一緒だ。

町内も一緒。

何でも話せる仲で、いつの間にか親友と呼べる存在だ。

今あたしは高校二年生。

クラスもずっと一緒。

田舎町だからクラスが少なく、他にも何人かはずっと同じクラスの子もいる。

准とずっと同じクラスなのも、珍しくはない。


「准、おはよう」

「おっ美雪、おはよーさん」

周りにはカップルかと思われるぐらい仲良しで、毎朝おきまりの事。

准のママチャリで一緒に登校する。

雨の日は別なんだけどね。

今は三月で、ちょっと寒い。

准のママチャリに乗ったらなおさら寒い。

「今日も寒いね。」

「おー。てかたまには運転代われよ。」

「だって前って寒いじゃん。ね?」

はいはい、とゆう感じであたしをチラっと見てママチャリをこぎだした。

三月の風はまだまだ冷たい。

「准~遅刻しちゃうよ?もちょっとスピード上げないと。」

あたしは一度も准に恋愛感情を抱いた事はないけど、准はあたしを好きだったとか。

過去形。

だいぶ昔の話しだけどね。

幼稚園か小学校の時。